アクリル手編みのベスト
母の編んだアクリル毛糸ベスト。
若い頃は洋裁学校に通い、父と家庭を築いてからはミシンで内職していた母。
我が家には母の手作りの物が溢れています。
このベストは自分が中学生の頃に母が編んでくれた物。
自分の中では定番…というか、寒くなったら部屋着として一枚着るものとして当然の様に毎冬着ていました。
母が倒れて施設に入ってしまうと、やっぱり色々と考えてしまい冬場のデイリーウエアが自分の中で宝物に思えてきた。
ここ数年は洗ってもなかったので、シーズンオフの衣替えに自分自身で手洗いにチャレンジ。
洗面台にぬるま湯張ってエマール入れて押し洗い、柔軟剤入れて何度かすすいで、洗濯ネットに入れて洗濯機で軽く脱水。
あとは陰干しして乾燥。
毛糸より扱い気楽なアクリルなのですが、心配だった伸び縮みも無く一安心。
取れないシミが幾つかあるのですが、次の冬も気兼ねなく着れそうです。
まあ、これを着倒してしまっても、母が元気な頃に作ってくれた予備のベストと母が着ていた赤色のベストがあるんですけどね。
サイズ感がどれも違うのが、手作りらしくて今ではなかなか楽しい。
ここ最近、色々と母との昔の記憶を思い出してると、幼時の頃はすごいお母さん子だった事を思い出しました。
赤子の頃は父に抱かれて泣くも、母が抱くと瞬時に泣き止んだと言う話も聞いたし、いつもずっと一緒にいた優しい母が大好きだった。
所が自分が成長してくると、大人としての母の性格で嫌な一面も見えてきて、一家を支える父の株が自分の中であがり、いつの間にか父母共に平等に好きになっていたと思います。
最近は仕事が忙しい、休みが少ないと、忙しいにかまけて、あまり両親と思い出作りもしてませんでした。
本当に昔の幼少時のピュアな心はドス黒く染まってしまったな…。
アラフォーになってもガキ扱いしてくる、母自身は一人っ子の僕を大切に思う気持ちはずっと変わってなかったのに。
「後悔先に立たず」
この言葉が本当に胸に突き刺さる。
それでもまだしてやれる事はあるから、休みの日には極力施設に顔出すようにしてます。
昔のマザコンだった自分を思い出し、今迄の恩返ししてあげなきゃ。